平成21年11月20日金曜日

研究目的

本研究、永井荷風の生涯と小説に関して、荷風の小説執筆と考え方を明らかにする。特に荷風の女性観と艶聞について考察するためのものである。

論文のテーマは、永井荷風の作品に描写されている女たちの文化評論である。

このテーマに関しては、いくつか先行研究がある。たとえば、永井荷風の小説の中における懐かしい東京のイメージとかナレーションの研究がある。ただし、ポーランド語で書かれた研究も資料もあまりないというのが現状である。しかし、私は様々な著書に当たり荷風の芸者と遊女に一番興味を持った。そこで、本研究では、荷風が実際に会った女性と小説に描写された女性の特徴を考察したい。花柳界を理解するためにはこうしたジェンダーの知識が不可欠あるからである。

本研究の目的は、以下の通りである。
  1. 永井荷風の生き方を考察しつつ、荷風が求めた快楽主義を明らかにする。 
  2. 花柳界で生活した女性の考え方を調査し、その時代の普通の女性と比較してどのような特徴があったか考察する。 

6 件のコメント:

  1. 作家の小説と人生の関係を調べることはいいだと思う。プライべートの生活はどのように作品に影響するのはいつもとても大事なことだと思う。私は永井荷風の作品にあまり興味を持っていないけど、もし彼の生涯を詳しく見れば、彼の小説は読みたくなるかもしれない。

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  2. 永井荷風が想像した世界の女性と実在の遊女の関係を研究するのはとても面白そうだよ。私のテーマの範囲にめぐっているカロリナさんの研究に対して関心を持っている。意見や資料を交わしたり、一緒に何かよく協力できたりすると望んでいるね。

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  3. マルチンさんは研究するラブホテルも永井荷風の生き方と作品も水商売と関係があるね。そこで重要な質問が出てくる:セックス産業はどれほど自由を与えるか。答えを探せばいろいろなアスペクトは分かりやすくなるかもしれない。

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  4. 作者の作品と人生を同時に学ぶのはとても良い考えだと思う。ある評論家が作者の私事は関係ないで、作品に限って解析すべきだという意見を持っているが、私はそう思わない。
    特に永井荷風のような作家は私生活と小説の関係が深いだと思われている。
    ところで、ブログの載った写真は適当な選択だと思う。なぜなら、永井荷風と女郎や芸者たちとの微妙な関係を表して、彼の小説は春本と大作のバランスを取っていたことも暗示する。

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  5. カロリナさん、初めまして。
    佐野先生の後輩で、お茶の水女子大学大学院生の石井佐智子(いしい さちこ)と申します。
    個人の都合で12月末までしかコメントができませんが、どうぞ宜しくお願いします。

    永井荷風について詳しくはないのですが、彼の作品は女性との関わりが大きいことは聞いています。
    個人的には目的1(彼の生き方(女性も含む)と作品、作品の中の女性、快楽主義)が面白そうだなと思いました。
    目的2は「その時代の普通の女性」の定義が難しいような気がします。また、当時の花柳界の女性の「考え方」を知る資料を手に入れるのも難しそうですね。当時の風俗、芸者・女郎の生態を調べるだけでも十分価値があると思います。
    カロリナさんの研究、興味があります!

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  6. 石井さん、初めまして。

    石井さんは書いた通りですね。確かに研究の範囲を制限した方がいいです。「花柳界の女性」と言うと、荷風に描かれた女をもとにして、芸者と女郎の生態を調べればいいと思っています。「普通の女性」と言うと、当時の社会で一般的な女と言われていた女性のイメージを使うつもりです。

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